こんにちは、ゆうちゃんです。
今回は、原油価格暴落の背景は?、原油安で買うべき株式銘柄やその他の投資商品は?につきましてお話しします。
昨日、2020年4月20日、原油価格暴落のニュースがありました。詳細は後程お話しします。
私生活においては原油が下がればガソリン価格が安くなるからいいのでは?原油が下がれば企業活動のコストも下がるのでは?とも思いますが、実際はどうなのでしょうか。
ちなみに、ガソリン価格については、本体価格に税金が70円程含まれていますので原油価格の下落程は下がらない仕組みになっています…
原油安は今後どうなるのか?
まず、基本的なところからお話しします。
原油価格とは?
原油を取引する際の価格のことです。
原油価格には、先物の取引における先物価格と、現物の取引におけるスポット価格があります。原油価格の三大指標は、「ニューヨーク原油先物(アメリカ)」「ブレント原油先物(イギリス)」「ドバイ原油・オマーン原油のスポット価格」があります。
スポット価格とは契約の度に当事者間で決定される価格で実勢価格に近いものです。日本の輸入は約8割が期間を定めて契約するターム契約ですが、ターム契約の価格はスポット価格に連動するように設定されています。
原油価格は主に市場経済の需要と供給のバランスで決まります。
原油の需要としては、世界経済の景気動向、ガソリンやプラスチックなどの石油製品や石油化学製品の需要動向が影響します。
原油の供給としては、産油国での戦争や内戦による減産、新しい油田の開発による増産などの供給動向が影響します。
そして、原油価格の価格上昇や下落の影響は、需要側と供給側で異なります。例えば、急激な原油価格の高騰局面においては、消費国での経済混乱はオイルショックと呼ばれますが、産油国では原油価格上昇により経済が好調となります。
原油を上場している先物市場
ここでは、世界の主要先物市場を紹介します。こちらの市場で先物が取引されているんだ、くらいにご確認下さい。
・アメリカ合衆国ニューヨーク・マーカンタイル取引所 (NYMEX)
・イギリスICEフューチャーズ(旧ロンドン国際石油取引所)
・日本東京商品取引所 (TOCOM)
・シンガポールシンガポール取引所(SGX)
・アラブ首長国連邦ドバイ金融商品取引所(DGCX)
・アラブ首長国連邦ドバイ・マーカンタイル取引所(DME):
2020年4月20日の原油価格暴落の背景は?
2020年4月20日、ニューヨーク原油先物相場は暴落し、指標の米国産標準油種(WTI)の5月物の価格が史上初めてマイナスに転じました。一時1バレル=マイナス40.32ドルを記録しています。
(※5月物とは、5月中に原油を引き渡してもらえる権利のことです。)
(※1バレルは、約159リットルです。バレルは英語で樽という意味です。)
新型コロナウイルスにより航空機の減便や工場の生産停止が相次いでおります。そのため、原油の利用が激減、余った原油をためる貯蔵施設も満杯、原油の買い手がつかない原油の供給過剰となり、売り手が代金を支払って原油を引き取ってもらう異常事態となっています。
原油は保管場所が無くなれば廃棄物同然の扱いとなる、ということです。
(※1バレル=マイナス40.32ドルとは、1バレルの先物を保有していた場合に原油1バレルと40.32ドルがもらえる状況です。)
4/21現時点の原油価格は、前日に史上初のマイナス圏に落ち込んだ米原油先物5月物はプラス圏を回復、6月物は20ドルを割って推移しています。
原油安の影響は?
原油安の影響は様々ありますが、以下のものは具体的に影響が出てきています。
原油安によりシェールオイルの開発企業の破綻もすでに起きています。それが、エネルギー株の下落や、社債などを扱う金融市場の動揺につながっています。
原油安による産油国の財政不安により景気を悪化させています。さらに、オイルマネーが投資を引き上げると、先進国の株安が加速し、世界経済に大きなリスクとなります。
日本の商社の中には石油事業に取り組んでいる企業があります。原油価格が急落すれば、抱えている石油の在庫や石油事業の価値が大きく目減りするため、巨額の損失を計上しなくてはいけなくなります。丸紅の2020年3月期は1,900億円の黒字から2,000億円の赤字に転落する見通しです。また、三井物産の業績にも影響が出る見込みです。
原油安への対応状況は?
2020年4月13日、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で構成するOPECプラスが、日量970万バレルの減産で最終合意すると発表されました。減産期間は5月1日からの2か月間の予定です。日量970万バレルは、世界で供給されている原油の1割にあたり、過去最大の協調減産となります。
ただし、今回の減産に米国は加わっていません。米国の減産に関する動向に注目しています。
原油安は続くのか?
原油の需要増加か、原油の供給減少がおこると、原油価格が上昇する可能性があります。
需要面につきましては、今回は新型コロナウイルスが終息して航空機の運航や工場の稼働するようになれば需要増加が期待できます。新型コロナウイルスにつきましては、ニューヨークがピークアウトしていますし、治療薬についても、アビガンやレムデシビルで効果が出てきているようですので長期的には復活する方向かと考えています。
新型コロナウイルスの治療薬につきましてはこちらで詳しくご紹介しています。
供給面につきましては、OPECプラスが協調減産を5~6月に実施します。こちらに加えて、米国やカナダが減産に協調するのかが焦点になると考えています。また、本日のニュースでサウジアラビアが5月1日から前倒しで減産すると報じられていますので、OPECプラスにおける更なる減産はあるのかにも注目していきます。
原油安に関するまとめ
今回、原油価格暴落の背景と、今後の原油価格についてご紹介しました。
原油価格が上昇に転じるタイミングに注視ながら、原油への投資を考えていきたいと思います。
原油安のときに狙いの株式銘柄は?
原油に投資する方法 5つ
②個別株式
③投資信託
④商品先物
⑤CFD(差金決済取引)
原油に投資する方法は主にこちらの5つの方法があります。①ETF&ETN」、②株、③投資信託は、証券会社の株取引用の口座で取引可能です。④商品先物、⑤CFDは専用の口座開設が必要です。
①ETF&ETN」と②株を詳しくご紹介します。
①ETF(上場投資信託)&ETN(指標連動証券)
ETFは「Exchange Traded Fund」の頭文字を取ったもので、日本語で「上場投資信託」です。株式市場に上場している投資信託です。ETNは「Exchange Traded Note」の頭文字を取ったもので、日本語で「上場投資証券」または「指標連動証券」です。株式市場に上場している証券です。
具体的には以下の種類があります。
WisdomTree WTI原油上場投資信託(1690)
NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信(1699)
NEXT NOTES 日経・TOCOM原油ダブル・ブルETN(2038)
いずれも原油価格に連動するETF&ETNです。原油価格が上がると投資対象が値上がりします。
実は、本日、NEXT NOTES 日経・TOCOM原油ダブル・ブルETN(2038)を購入しました。原油ブル(2038)は原油価格の2倍の値動きがあります。短期決戦で資金を回していきたいためこちらを保有しました。
②個別株式
原油・ガスを開発生産国内最大手。政府が黄金株を保有。
石油元売り業界2位。昭和シェル石油と2019年4月に経営統合。
石油元売り業界首位。国内シェア5割。2017年4月に東燃ゼネラルと経営統合。
芙蓉グループの総合商社大手。
上記の企業は、原油安により、各社が在庫として保有している原油の評価額が減少したり、値引き圧力が高まることで採算が悪化しています。
原油安のときに狙いの株式銘柄まとめ
私は、本日、原油ブル(2038)を買いました。
米原油先物6月物も20ドルを割って下落している中で、投資をするのは怖い部分もありますが、怖いときに購入していかないと勝てないという経験もありますので買ってみました。
今後は、①新型コロナウイルスの影響も少なくなり原油需要も復活していく、②OPECプラスを中心とした原油の減産がされていく、こちらの2点が期待できる限り保有するつもりです。①の原油需要復活は原油の保管場所がない現状を考えると必須となります。
引続き、勉強しながら投資をしていきたいと思います~!